まるで人生だね

最近考えてること。サブカル。

『フリクリ オルタナ/プログレ』の敗因

 

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ここまで『フリクリ オルタナ』『フリクリ プログレ』の感想をつらつらと述べてきた訳ですが、最後にこの二作品を比較しながらダベって終わろうかと。

 

※ 以降の記事では2000年のOVA作品『フリクリ』のことは『フリクリ』と表記し、『フリクリ オルタナ』のことは『オルタナ』、『フリクリ プログレ』のことは『プログレ』と表記します。

 

 

flcl-anime.com

 

 

the pillowsに土下座しろ

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結局の所これである。これが言いたくて『オルタナ』『プログレ』の感想なんてものを、向き合いたくもねえし書きたくもねえもの書いてんだ。

the pillows(以下 ピロウズ)の楽曲が『フリクリ』を構成する要素としてめちゃめちゃデカいのは、もう視聴者なら誰でも分かることだろう。そこをよく理解してピロウズの楽曲を使いこなせなかったのは完全に制作陣に落ち度がある。

キングレコード時代の楽曲が使えないので、限られた楽曲を使い回さなきゃならないのは分かるし、仕方なかったことではあるけども。

末澤  新録の依頼にあたっては、監督間でOVAシリーズの曲を使うかどうかでけっこう話し合いました。全部新しい曲がいいという人もいたし、ポイントになる部分にはOVAシリーズの曲をつかいたいという人もいました。それに、劇伴としてのバランスを調整するのも大変でしたね。最初に使いたい曲を自由に投票してもらったら、曲調が似通ったもが多くなってしまって(笑)。

荒井  やっぱりみんな、キャッチーな有名どころの曲を選んじゃうんですよね。劇伴はいろんなシーンに対応した曲がないといけないのに、バトルシーン向けの曲しかないみたいな(笑)。

フリクリ プログレ』パンフレットより

そういうとこだよ!?

そういうとこ!たった14曲、新曲と前回からの続投曲除いたら9曲しかないんだから!もっと色々考えて選んでよ!R・O・N作曲の劇伴も決してクソって程ではないんだけどさ、やっぱピロウズ聴きたいじゃん。

 

結局結論としては、今回のこの企画の戦犯は音響監督あたりだと思う訳ですよ。

具体的に誰が担当しているのかまでは分からないのがもどかしい所なんだけど、『オルタナ』『プログレ』通して、とにかくBGMの音圧が足りない

ここまで『フリクリ』のいろんな要素を語ってきた訳だけれど、僕が一番好きなのはMVの様にスタイリッシュなカット割と、キャラのセリフが聞き取りにくくなるくらいに爆音で流れるピロウズの相乗効果でもたらされる多幸感なんです。それが圧倒的に足りてない。いつ始まっていたのか分からない「LAST DINOSAUR」。あ、ここが盛り上がり所なんだ...と認識するための「I think,I can」。ヒドミのアラーム音に使われちゃう「Thank you,my twilight」。あのキレッキレな演出はどこ...?ここ...?

 

フリクリ』の監督・鶴巻和哉氏は、ピロウズのことが好きで彼等オファーをした。それに対して、今回のスタッフは別にピロウズのことが好きじゃないんだろうなってのがひしひしと感じられてしまう。ピロウズのことが好きな人間が、「Fool on the planet」が流れてる裏でモッさんに「うーみーはひろいーなー」なんて歌わせないだろ。マジで何考えてんだ。

 

 

 

とにかく音響とセリフ回しがクソ

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うん、改めて考えてみてもここに尽きる。耳で視るアニメ体験が出来ないのだ。楽曲に限らず、ギターで殴った瞬間に効果音を伴った快感を感じられないのもデカいし、セリフのセンスが凡庸の域を出ない。「物語はハッピーエンドがいいじゃん」なんてつまんねえセリフ、ハル子は言わないし、言うにしてももっとこじらせた言い回しをするはず。結局鶴巻和哉氏と榎戸洋司氏が夜中にウンウン唸りながらこねくり回したセリフ回し・脚本には誰も勝てなかったということだ。悲しい。もう当時のガイナックスに敵うクリエイターは現代にいないのか。いやそんな筈ないだろ。すしおとかなんで参加してないん?ダリフラなんてやってる場合じゃなかっただろ。そもそもなんでI.Gなんだ。せめてトリガーに作らせろくそ。くそ!

 

 

 

何故映画なのか

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まずここよ。全6話という形態で制作しといて、なんで映画館での上映なのか。『オルタナ』は1話分終わる度に画面が暗転、「next episode」と無音で数秒表示され、『プログレ』でも2話目以降はルーレットみたいのが回って「つづく」と出るだけ。『フリクリ』の時はEDと次回予告を挟むから頭の整理をして次話に望めたが、今回はそれができない。困惑を咀嚼できないまま話が進んでしまう。せめて毎話EDを挟むだけでも、もうちょっと評価がマシになったのではないか。どうして10分ほど尺が長くなる程度のことを嫌ったのか。訳が分からない。

 

 

 

つらい。

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心が荒んできた。コンビニ行ってビール買いたい。大好きだったコンテンツへの批判がこんなにも辛いなんて。僕はフリクリのことがほんとに好きだったんだなあ。

あ、でもパンフレット読んでて嬉しい文があって。

─最後に作品を完成させた現在の心境を教えてください。

末澤  アニメーター出身ということもあり、制作中はその強みを生かした采配や表現を意識したのですが、現場を共にしたスタッフから、楽しかった、と言ってもらえたのがめちゃめちゃ嬉しくて。なかにはアニメーターを辞めようか悩んでいた子が、「フルプラ(5話)」をきっかけに思いとどまってくれたケースもあり、本当にやった甲斐がありました。

フリクリ プログレ』パンフレットより

これめっちゃ嬉しい。挑戦的な制作に挑んだ上でアニメーター続けようと思えた人がいるってすごくない?こういうのが業界のレベルアップに繋がってくんだろうなって思って。マジでこの末澤慧氏にはこれからも頑張って欲しい。それだけで『プログレ』って企画が立ち上がった意味あったんだろうなって思えました。『オルタナ』はノーコメントで。

 

 

 

 

今『フリクリ』を見ながらこの文章打ってます。めっちゃ面白い。当たり前のように面白い。やっぱ不味いラーメンなんて食うもんじゃねえや。

オルタナ』は正直もう二度と見たくないまであるんだけど、『プログレ』はもう何回か見たい。かなり悩んでますが、多分ほとぼりが冷めた頃に中古で円盤買っちゃうんだろうなって感じ。いっそ映画館で『プログレ』単品の円盤買えばよかったかな。いやなんか振り返ってたら特に『プログレ』の方は単品の作品として見れば案外楽しめるような気がしてきた。というかそう思いたい。やっぱもっかい観たいな。3年後とかに。うん。

もう締めに入っちゃってるんだけどいいよね?フリクリというコンテンツをディスるのもう嫌だよ、ぼく。あとでなんか書き忘れとか思い付いたら追記とかするかもです。あーやっと書き終わった。おわり!

 

 

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